基礎理論の座学は眠い。実践に落とし込む苦労もかかる。
マニュアルは具体的で助かる。しかし、例外への視点がもっと欲しい。
この二つの間を埋める、程よい境界は無いものか。
答えなきエントリーだが、共感いただけると幸いである。

原理原則は知って然るべきだが…
わたしも社会人であり、目先の課題を解決していく必要がある。
独断でやって良いものではなく、上司の判断も仰ぐ。
その時に、いの一番に聞かれる決まり文句がある。
「規定・標準は確認した?」だ。
ここを担保せず持って行った提案は軒並み却下される。
規定のないスタートアップやベンチャー、工場もあるが
それなりの組織であれば、就業規則に類するルールブックがあるだろう。
また、各部門の業務に特化したルール・標準もあるはずだ。
しかし、これが読みづらく、一読では理解が追い付かない。
継ぎ足しの歴史で積み上がっている代物だと、もはや物語だ。
最後の最後で「ただし」とか書いてあってすべてひっくり返ることもある。
さらには、他部門にすら非公開の裏文書すらある。
これらを網羅することは正直困難だ。
内容を理解することは諦めるにしても、
どこに何があるのかすら分かったものではない。
そうなると、年功のある人が相対的に有利になる。
時間をかけて知っていく以外の方法はないのだろうか。
マニュアルも乱発すればゴミの山
規定を毎回読み解くのは非現実的だ。
そこで、規定が定める制約を守り、なおかつ、
実務に即した手順を先にまとめておくことになる。
これがマニュアルだ。
マニュアルは個人的には大変ありがたい。
右も左も分からない異動・転職直後の状態で、
「とにかく業務を動かさなければならない」という時に
とりあえずのアウトプットを出すことができるからだ。
しかし、マニュアルは作成当時の状況を固定化する。
新しいルールができた時、当時想定していないエラーが出た時、
そのノウハウの結晶は無価値な紙束となる。
前提が変わったならば、改訂するのが筋ではある。
そのように点検をすることで保っている組織もあるだろう。
その一方で、現実的に処理しきれていない場合もある。
細分化されたマニュアルが多すぎるのだ。
ガバナンス・コンプライアンスは組織を守る要だ。
何かあった時の防衛ラインであり、必須事項だ。
その代わりに、効率よく満たせる方法は考えるべきだ。
最初から最後まで事細かに、バラバラに作り上げると、
メンテナンスのコストが跳ね上がる。
さらに言えば、防衛目的のマニュアルだと、
創意工夫を封じられる。勝手なことができない。
創作の世界にあるような「オリジナリティ」を発揮して、
人が死ぬような欠陥を生じたら大問題なのだ。
試される「自分事」への変換
基本原則も、マニュアルも、
極端に寄ると実務に即さない欠陥品となってしまう。
このジレンマを解消することを、考えたい。
本エントリーを書くにあたり、
改めて規定やマニュアルとの普段の付き合い方を考えたが、
「既にあるもの」・「与えられたもの」という感想に至った。
仮説であることを前置きして、
この前提を見直すことを解決策として提案したい。
目前の仕事と真剣に向き合うのと同じ熱量で、
規定やマニュアルを自分の文脈で解釈する必要がある。
受身で何もかも分かるほど、この世界は甘くない。
単に「顧客価値を最大化」と教科書が言っているならば、
あなたにとっての「顧客価値」とは、「最大化」とは何なのか、
今の仕事の文脈に揃えてやる。
マニュアルが「安全装置を解除する」となっていたら、
その結果としてどの部分・範囲が危険になるのか、図面で考え、
危険になる箇所に人が入らないよう指示標をつける。
作業者が複数ならば、声掛けも必要になる。
このような行間への意識は、真面目に取り組まないと生まれない。
最初のうちはマニュアルに従うことで精一杯だが、
2回・3回と繰り返すうちに、意識の余裕が生まれる。
この余裕をどう使うかは、あなた次第だ。
楽にできる事実・成長に満足するまでとするのか、
より上位の視点でできることを再解釈して取り組むか。
一概には言えないが、成長や貢献を望むのであれば、
後者の視点は持っておくことを推奨する。(わたしも同様である)
結び
西洋人はルールは動かすという前提を持っており、この辺りの適性が強い。
お上が決める文化の日本は後手に回る。
文句をぶちまけるまでで、改善案を作り上げることはまずない。
だからと言って悲観するのは早すぎる。
そうやって無関心を決め込むと、それが文化になる。
わたしのように、マニュアルは無償でもらうものと勘違いし、
組織の効率を一層下げる動きを加速させてしまう。
この世界には、とんでもないクレーマーがいるのも確かで、
あなたにルール作成を押し付ける不届き者もいるだろう。
心底辟易するだろうが、クレーマーに引き渡すことのその先の、
将来にわたっての効率化をゴールと定め、
あなたには高尚な仕事をしていただきたい。
そう、願うばかりである。


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