歳を重ねるごとに確立・固定化される価値観。
長く生きるほど変えるのが煩わしいものではあるが、
維持することで生きるのが苦しくあってはならない。
正解はないし、答えを無理やり出すものではないが、
「今の価値観は、時代の中でうまく適合できるものなのか」
という呼びかけは、あなたもわたしも時折は考えるべき設問である。

価値観はゆっくり変わっていく
MBTIを筆頭に、価値観・個性は生涯不変というスタンスがある。
わたしは、そうではないと考える。
試しに、小学生の頃と今のあなたを比較してほしい。
思春期を通し、何かしらのパターンの変化があり、今があるのでは?
挫折したり、仕方なく演技した結果が今に残っていたり。
もちろん、「本当の自分は違うんだ」と考えることも自由だ。
その代わり、この考えは生きづらさを固定化・顕在化する悪魔の言葉であり、
その生きづらさを背負う覚悟を要する。わたしは推奨しない。
だからこそ、タイムスケールは人それぞれという前提の上で、
時と場合、時代の要請、仲間との位置関係など多くの要因で、
あなたの価値観は移り変わっていくと考えておく方が、
精神衛生上は健全であるとわたしは考えている。
そもそも、価値観という言葉は壮大に見えて、
通用する範囲が自分の周りの限られた人だけである、
極めて狭い思考・行動パターンのスナップショットに過ぎない。
ということは、適用の対象が変わるならば、
価値観もすり合わせていく方が圧倒的に有意なのである。
軸がないように見えて、しっかり軸のある考え方であり、
このことを放棄することの方が無価値側に自分を寄せる危険な行為だ。
価値観の見直しは、言葉にして・時間をおいて
社会という、自分を苦しめる概念のために動くことは、
あなたにとっては不本意に映るかもしれない。
しかし、社会にはあなたを生かしてくれている面もあり、
一定以上のギブアンドテイクを果たすことは自然である。
その上で、社会の変化から全く外れない程度に、
あなた自身を振り返っていくことは損でない。これは断言する。
そこで重要となるのは、「どう振り返るか」だ。
昨日のやらかしへの対策を考える話より難しい。
自分を主語にすると、どうしても主観的になる。
AIを壁打ち相手にすることもできるが、
心の内をさらけ出して学習させるのも気が引ける。
こういった背景を踏まえると、
価値観の振り返りには多少時間をかけてでも、
自分だけの言葉に落とし込み、「誰・何の都合なのか」を
地道に見つめていくことが一番の近道だとわたしは考える。
ここには、ビジネス本が提案するようなテンプレートは存在しない。
テンプレートに頼ることは、誰かの価値観をなぞる行為となるだけで、
真の意味であなたの価値観の振り返りにとなならない。
「こうしたほうが良いと考えている」
「こういうトラブルにこう感じる傾向がある」
「あのトラブル対処は、本当はこうしたかった」
通り過ぎていく毎日の出来事を見つめ、
心に移りゆくよしなしごとを書き溜めていき、
そのような思いを持つのにはどういう背景があるのか。
このストックをまずは作ってみると面白い。
ある程度ストックがたまったら、
1か月くらい時間をおいて読み返すことをお勧めする。
思った以上に矛盾していて驚くこともあるだろう。
わたしの場合を紹介する。
普段は異様に節約する傾向がある割に、
見栄を張る場合は出費を惜しまないケースがあった。
自分に見栄を張らないのだろう。しかし、行動上は矛盾している。
そういう振り返るを積み重ねていると、
わたしが自分のために見栄を張るということも時として重要で、
その結果として誰かの助けとなることもあると気づける。
また、社会通念を言い訳にして行動をためらっていると、
チャンスを活かすこと自体を億劫に感じ始めてしまう。
これはもったいないことであり、せめて関心を示そうとなる。
スクラップ&ビルド、と言うとやや大げさだが、
例外に対処するスタンスでありふれた出来事にも立ち向かっているならば、
それは生きづらさを生む要因となる。
罫線もない真っ白なノートに、書き連ねるだけ。
ただし、時間をかけて、より生きやすくなる考えとつながるか。
忙しい、心を亡くしかねない今だからこそ、考えていただきたい。
結び
季節が移り変わっていくように、
価値観も人生という公転軌道に沿って動いていく。
その方が自然であり、無理に留まると大災害が待ち受ける。
明日のことすら分からない。
まして、5年後の自分が何を考えているかなど、
想像できる範囲から全く外れている。
だとするならば、今の価値観というものが、
いつまでも適用するものではないということは、容易に気づけるだろう。
だからこそ、棚卸をしておくことが、肩の荷を下ろすことにつながる。
あれもこれも持っていては、心身ともに持たない。
あなたが大事と思っている考えが、
ミサイルがいつ落ちてくるかもわからない状況でも通用するだろうか。
考え、考え続け、時代を生き抜く力を、さらに考え続けてほしい。


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