休暇と信用

有休を取れる職場環境が整っていても、心理的には取りづらい。
そんなあなたへのエールとして、この記事をお届けしたい。

外野が美辞麗句を並べたところで、取りづらいものは取りづらいが、
多少でも休暇を取ることにプラスの意味を感じていただければ幸いである。

休暇への後ろめたさの正体は?

昨今の風潮である「休暇は当然の権利」的な考えが苦手な現代人は
相当数いるとわたしは考えている。

ネットに記事を投稿する人の数は、
読む人の10%~20%程度しかいないという与太話もある。
少なくとも、記事の内容とそこにアクセスする人の意見は別物である、
という点は同意いただけるものと思う。他のメディアも同様だが。

それはそれとして。
組織に休暇の制度がある、人間関係も良好、取得できる雰囲気もある。
それなのに、心理的に休みが取りにくい状況は発生する。

恵まれた環境でその権利を行使しないのは愚の骨頂である。
法律ですら、権利は行使しなければ消滅すると明確に示している。
それなのに、使うことへの抵抗を感じる。

わたしが偉そうに言える立場ではないことを承知で申し上げると、
謙虚さ・自己犠牲を美徳とする風潮が影響しているとわたしは考えている。

特筆するスキルがないと思い込まされている人は、
「会社に籍が残っている」こと自体に無意識に後ろめたくなり、
その後ろめたさを原動力に精一杯働くことを自分に命じ、
仕事が止まるすべてのイベントをマイナスのものと解釈している。

これは洗脳ではないか?
あなたは、「自分は大した人間ではないから」と自らにレッテルを貼り、
行使できるはずの権利を放棄してしまっていないだろうか?

休まないことで積み上がる無形の財産

自分のことが何よりも優先されるべきで、
ルールの中であれば権利は最大限行使していくと割り切れる人は良いが、
社会を支えるほとんどの人は、そんな図々しさからは距離を置いている。

私の意見を述べさせてもらう。
屋台骨で汗水を垂らす人こそ、月に1回以上の3連休はあって良いと思うし、
その間に届く連絡一切に対応する義務が発生しないよう願っている。

しかし、現実はそこまでうまくできていない。
次に出勤すれば不在中に受けた依頼への対応が当然発生するし、
休んでいたから放置します、などと言えば総スカンだ。

休暇から戻って、不在期間中のリカバリーをするあなたは、
普段もあまり休んでいないし、頼まれごとも律儀にこなしている。
目立つスキルがないと思い込みながら、周囲のサポートも欠かさない。

そんなあなたは、あなた自身が気づいていないだけで、
「信用」という莫大な財産を築き上げている。
しかも、人格に対しての割と広い信用だ。これは大きい。

試しに、依頼を投げてくる人にうやうやしく相談や質問をしてみると良い。
その人が人格破綻者でない限りは、回答が返ってくる。

仕事なのだから返事が来るのは当然?そんなことはない。
少なくとも、わたしは面倒な人からのどうでもいい依頼は、
催促が来るまで放置している。

選択肢は「仮病」

「人格面での信用」が一定以上積み上がっていると、
これまでの実績に反しない範囲で、得意ではない分野での失敗に対し、
周囲が大目に見てくれるようになる。

勘違いしてほしくないのは、人格面以外での信用では成立しないことだ。
特定技術のプロでも、前後工程のことなどお構いなしの自己中心的な人物では、
「融通も利かないし、それ以外の分野はカスだ」となってしまう。
そういう意味で、人格破綻者の多い経営幹部とやらをわたしは信用しない。

反対に、人当たりの良い、献身的なオールラウンダーであれば、
「時々体調不良で休むことがあってもカバーしてあげよう」と思ってもらえる。
休みをねじ込む余地が、ここに生じる。

2か月または3か月に1回の頻度で、仮病で休暇を取る。
イレギュラーを演出する必要があるので、月曜や金曜は避けよう。
これだけで良い。あなた自身をいたわろう。

真面目なあなたのことだ。きっとこれでも多く感じてしまうだろう。
ならば、これ以上はやらないようにする。それだけで十分だ。
それ以外にも用事で休暇は取るだろう。だからこそのこの頻度である。

結び

ただでさえやることが複雑化しているこの世の中で、
休みすらまともに取ることをためらうような社会は個人的にはあり得ない。
もっと言えば、そういう風潮に善良なあなたが巻き込まれるのは話にならない。

後ろめたい休暇を少しでも多く取る。
取った分の恩返しはその後に考えれば十分だ。

カネも同じだが、積み上げた財産は使うことで意味を持つ。
カネですら、信用をベースに成立する代物だ。
ならば、個々人の信用を有意義な形に変換するのも、
個人がもっと自由に行使してよいものではないだろうか。

業務に追い立てられていると、自由な視点が持ちにくい。
だからこそ、多少の自由を勝ち取ることは、あなたの支援となる。
良き休日を。

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